生きるからにはそれなりに

mochilonという人のブログ

セッションを観て辛くなった

映画としての評価が高く、ミュージシャンからあまり評判が良くない噂がずっと耳に入る中、日本公開前からずっと気になっていたものの追われて映画を観に行けず。ようやっと観に行けた。

噂に聞いていたとおり、映画としてよく出来ていてフレッチャー教授役のJ.K.シモンズはハートマン軍曹を3倍濃縮したような鬼軍曹ぶりでアカデミー賞受賞もそりゃ当然ですわという気迫。主役のニーマン役のマイルズ・テラーも本人が全てのドラムを叩いていて(400BPMの4ビートまで!)鬼気迫る師弟の殴り合いという意味では素晴らしい出来。

ただ、なまじ音大のジャズコースという似たような場所にいた人間としては「音楽ってそうじゃないでしょ」というお約束の疑問から始まり、自分はこの映画では(音楽を諦め医大に転校した)先輩のカールや、教授のプレッシャーのあまり自殺してしまったOBのショーンの方が近い存在に感じられて観ているのがとても辛かった。

フレッチャー教授の鬼シゴキは大学時代ではなく、かつての幾つかのバイト先や今の事務所でのトラウマをフラッシュバックさせてなかなかゲッソリと弱った気分で劇場を後にすることに。ジャズなんかと関わりのない人間なら肩で風切って出てきたのだろうけれど。つらい。