生きるからにはそれなりに

mochilonという人のブログ

上野を駆けまわるには体力が足りていない

また2時寝、何時に起きただろうか。結構自由に寝て10時過ぎに起きた気がする。

完全にルーズになっていてよろしくないのだが、ダラダラとメシを食って、何をしていただろうか。とにかく15時頃にトーハクへ行く覚悟を決めて外へ出る。

東京国立博物館へ行ったのは他でもなく三条宗近の名物三日月宗近を見に行くためだったのだが、これがまったくピンと来なかった。天下五剣の中で最も美しいと言われ、国宝に指定されている価値が全くわからない。真正面から見たから帽子にかけて細くなるシルエットの魅力がわからなかったのかもしれないし、照明が暖色系だったから古刀の青光りする鉄の色合いが見えなかったのかもしれない。しかしまぁとにかくピンと来なかったのだ。

もう一つの国宝の亀甲貞宗は文句なしに素晴らしかった。正宗の作品とも見劣りしない存在感、相州の乱れ刃でありながら気品を兼ね備えた力強さ。ひと目で吸い込まれる。

三日月宗近以外特にこれを見ようという気もなかったのだがそれだけで帰るのはもったいないのでクレオパトラとエジプトの王妃展なども見て回る。ちょっと体力が尽きかけていたのであまりじっくりとは見ない。一応、というレベルでグルッと見て撤収。

腹が減ってヘトヘトになっていたので上野駅へ向かいながら蕎麦屋を探す。東上野にある翁庵という店に吸い込まれるが、これが大当たり。明治から続く老舗でありながら肩肘をはらない本来の蕎麦屋然とした下町らしさに包まれており、蕎麦も美味い。食べログに書いてあった冷やしむじな(キツネとタヌキ両方)を頼んでみたところ、揚げ玉油揚げ以外にキュウリ、キャベツ、ハムと乗ってほとんど冷やし中華状態。ところが麺はとてもしっかりとした蕎麦、つゆも最高のそばつゆ。麺とつゆがしっかりと蕎麦をしているので冷やし中華ではなくキチンとそばとしての味がする。しかし老舗にしては随分くだけたメニューではある。このバランス感覚が最高。店を見回すと古今亭志ん朝柳家小さんのサインが飾ってある。小さんは先代だろうか。林家木久扇のサインも並んでいる辺り、やはり肩の力が抜ける。とてもいい気分を味わって店を後にする。

御徒町へ向かって歩き、中田商店へ。デニムが夏ではツラい、カーゴパンツが欲しいのだが、折角なのだから本物の軍放出品を買えば本格的かつ安く済む。本当にボロボロで所有者の名前が書いてあったり、米軍はやたらとウェストが大きかったりしてサイズを探して試着を試すのに時間がかかったが、英軍のものを2本買う。英軍だとブリテンの人間以外にスコッチやアイリッシュの人間も混ざるから小さいサイズが多いのだろうか。

この勢いでスニーカーも買ってしまおう、ABCマートの本拠地でもあるのだから、と思ったのだが18時手前でアメ横のありとあらゆる店から蛍の光が流れ始めて断念。御徒町から帰る。

夕食を食べていたら時をかける少女に巻き込まれてうっかり見てしまう。いかんいかん。そんなこんなで1時過ぎ。早く寝ようと思っていたのに。だらしがない。