生きるからにはそれなりに

mochilonという人のブログ

西尾雄太 / アフターアワーズ (1)

最高のガール・ミーツ・ガール。

ガール・ミーツ・ガールとしての入り口を用意しておきながら少しずつDJ漫画としてクラブカルチャーを描く硬派な一面もチラつかせる。第1集。

西尾氏本人がDJでありレコード蒐集家でもあるからこそ描ける漫画だと思う。とんかつDJあげ太郎は少年漫画的に入り口を持ってきてくれたけれど、こちらは青年漫画としてあのクラブの空気感をリアルに描いている。そのあたりは現在進行形で関わっている人間としても読んでいて楽しいし、嬉しい。

ケイの過去、上手く行かずにバラバラなってしまった話や今のシーンでの楽しさ、オールのクラブ明けの朝の街の眩しさ。そしてヴァイナルジャンキー特有の綺麗だがゴタゴタした部屋。

想像以上にギャグへ落とすコントラストの付け方が上手い。白けさせず、だらけさせず、とてもいい塩梅。飽きさせない工夫。

お膳立てが揃い、いよいよエミの過去が始まるところで1巻の終わり。待て第2巻。