生きるからにはそれなりに

mochilonという人のブログ

ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火

T-34/85を愛でる映画としては非常に貴重で素晴らしい作品なのではないだろうか。

撃破されたT-34、燃え盛るT-34、主人公たちが乗って大活躍するT-34T-34フェチのための映画としか思えない。SU-152等も出て来る。鉄の塊がCGを使わずギャリギャリと動き、鉄の砲弾を打ち込み、草木を倒し泥に足を取られながら進み行く。決して派手ではない、それ故に重々しさがある。

一方悪役であるVI号戦車ティーガーに関しては特別仕様の化け物という設定で、フューリーのように本物のティーガーを期待している場合肩透かしを食らう。主人公は不死身の亡霊であり、ホワイトタイガーも恐怖の象徴としての亡霊なのだ。

浅学なのでカイテル元帥の調印のシーン、及び最後のヒトラーによる独白あたりは汲み取ることができなかった。最後は戦車戦ではなく非常に政治的なメッセージで幕を下ろす。戦車を期待しているとここは狐につままれたような気分になる。だがロシアのプロパガンダ映画ではないのだという点においてはそれで良いのかもしれない。

Amazonレビューでさんざん言い争われているがたしかにMS IGLOOを思い出すし、「原案:小林源文 監修:平野耕太 脚本:富野由悠季」という例えもどことなくシックリきてしまう。

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