十一月二十日、曇り。
早朝まで別件に向き合う。6時半にアレンジを終えて投げつけて布団へ飛び込む。
再度リテイクの連絡が来る可能性及び連絡が来ても寝過ごして着信履歴まみれになる恐怖を抱えながら気絶。10時過ぎに連絡が来て無事意識が戻る。リテイクして投げて譜面作って13時にすべて終了。
Recが行われているのでデータに不備があった際などのために再び自宅待機。休まるようで休まらない。ひとまず枕元にスマホを置いてまた寝る。昼夜逆転生活ができる肉体はもうない。
18時頃解放。今日はもう何かを頑張りたくない。白米にイクラを乗せて食べながらモンティ・パイソンのスペイン宗教裁判の回を観る。
夕食を作る気力がない。中華茶房エイトでご飯。本屋へ寄って帰宅。
クラレンス・"ゲイトマウス"・ブラウンという男のレコードはブルースの棚に置かれているが、彼自信はブルースという枠に押し込められることを嫌った。「アメリカーナ」というようなジャンル名が生まれるより遥か昔よりそれをしていた男である。
正直なところフィドルやバンジョーなどの混ざってゴチャゴチャした、それでいてハイファイな音像の彼の音楽は苦手なところが多く、あまり好き好んで聴きたいと思う時は少ない。
ところで「Sings Louis Jordan」は彼の3枚目のアルバムであり、レコーディングキャリアでは初期~中期にあたる(47-61年のシングル曲は後にまとめられてアルバム化されているが、こちらも50年代のブギウギのスラップ感のあるリバーブ感がやや苦手だ)。
ビッグバンドとブルースの融合であるジャンプ・ブルースの代表、ルイ・ジョーダンの楽曲たちをカバーしたアルバム。面々はカンザスやテキサス、そしてフランス。レーベルもフランスであるため録音にはコテコテのアメリカ臭がなく、70年代ヨーロピアンジャズのような空気感でブルースを歌うゲイトマウスは非常にしっくり来る。
彼が世間から高く評価されたのは80年代に入ってからだが、妙なハイファイ感とトラディショナルな音楽のアンバランス感が苦手な人間にとっては非常に意外なものとして楽しむことができた。
余談だがスティーヴィー・レイ・ヴォーンも録音が80年代臭くて苦手なんだなぁ。