Dexter Gordon - Stan Levey Sextet 1955 ~ Tune Up ...
3:27から始まるピアノソロに注目。
Stan Levey / This Time The Drum's On Me (邦題:今こそドラムを叩く時)
Stan Levey (ds)
Conte Candoli (tp)
Dexter Gordon (ts)
Frank Rosolino (tb)
Leroy Vinnegar (b)
Lou Levy (pf)
Bethlehemのジャズが1000円で再発されている素晴らしい時代だなぁと思いながら買おうか迷っていたものを数枚購入。特にリロイ・ヴィネガーが弾いている音源が何枚もあったのでその中から迷って選んだものを。
この晩はヤク中まっしぐらの1955年のDexter Gordonもサイドマンとして参加していたので特に気になっていた。同時期、同じくBethlehemの録音である"Dexter Gordon / Daddy Plays The Horn"がデックスの録音の中でも一番好きとも言えるレベルの名盤で、そちらもベースがリロイ・ヴィネガーだったからだ。
そんなわけでとてもとても期待していたのだが、ヤク中のデックスはやっぱりグデグデになっている録音の方が多いようだ。ビックリするほど冴えない。フレーズが止まる止まる、やはりDaddy Plays~は一瞬正気に帰った瞬間だったのだなと思わされる。それに引っ張られてコンテ・カンドリもちょっとつっかえ気味、フランク・ロソリーノも頑張るものの絶好調ではない様子。リロイは可もなく不可もなくいつも通り黙々とウォーク。リーダーのスタンはタッチもリズムも正確だけれど盛り上げや音楽のカラーを変えるジャズドラムの役割としてはイマイチ物足りず、良くも悪くもウェストコーストの白人らしい。
ただ、ピアノのルー・レヴィだけは別格。
このアルバムで初めて知ったのだけれどルーはサラ・ヴォーン、ペギー・リー、エラ・フィッツジェラルドと歌伴ピアノの達人履歴の持ち主。バド・パウエルのような綺羅びやかタッチとハンク・ジョーンズのようなコロコロしたスウィング感。それでいてソロ回し、使ってくるフレージングは自然でいてえげつなくビバップとは違う独自の感覚。
このピアニストと出会えたことでこのアルバムを聴いた甲斐があったと感じられる。
ちなみにタイトルはスタンダード曲の"This Time the Dream's on Me"のもじり。
SOLID/BETHLEHEM (2013-06-12)
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