生きるからにはそれなりに

mochilonという人のブログ

成田山、うなぎ、ダンケルク

九月十六日、曇り後雨。

成田へ向かう。空港ではなく成田。

成田駅へ降り立つとお祭りムードが漂っており、門前町には山車や様々な催しが行われている。

昼食は川豊本店でうなぎを喰う。年々値上がりしているうえに絶滅危惧種になってしまったので食べること自体に背徳感がある。たまにしか食わないので店ごとに比べられるほどの経験はないがやはり焼き方が最も肝要な食い物であると思う。

ところで成田でうなぎ屋が盛んなのはかつて印旛沼でうなぎが獲れたからだそうだ。明治大正に治水工事が行われるまで荒川だけでなく利根川も流れ込んでいたらしく、それは水害もひどかっただろうし印旛沼干拓するだろうとつくづく思う。

成田山新勝寺へ参る。本堂はPAシステム完備の中、太鼓がドンドン叩かれ全員で真言を唱え始める。壁には曼荼羅、完全にサイケトランスの世界としか言いようがない空間であった。

どうも成田山というのは伝統ロンダリングをしていて明らかに栄えたのは16世紀か17世紀あたりであり、更に昭和にガンガン増築改築しているので伝統的な建造物というのはさほど多くない。いくつか重要文化財指定されている堂を見るとそれもまた江戸っ子たちのやんちゃっぷりが伺えて他の史跡とは異なる珍スポット感を醸し出していた。

新勝寺を半分ほど見た後、そのまま歩いてHUMAX成田へ向かう。ダンケルクを観るならIMAXシアターで観なければ、それもなるべく大きい場所で……との結果成田となった。

成田山に気張りすぎて疲れ、映画前半で寝るという大失態を犯してしまう。ただこの映画はストーリーや伏線というよりは、ただただ美しさや恐怖を生々しく映した映像といった感が強く、観終えた後も「ああ、すごい映像だった」という一言に尽きる作品であった。