生きるからにはそれなりに

mochilonという人のブログ

キルモンガーをハデにくれ

三月二十一日、雨。

オール明けで帰還、盛大に寝る。

夕方から渋谷へ『ブラックパンサー』を観に行く。

スクリーンの向こうの名優たちが演じるアフロアメリカンの葛藤よりも隣の巨漢黒人男性が肘掛けからはみ出してくる圧やポップコーンを食べる音の方がリアルな説得力があり、アメリカの負の象徴を背負っている気がしてしまい映画に集中できない。

飽くまでこの映画はエンターテイメントであり、バックグラウンドにアフロアメリカンのルーツ、アイデンティティ、差別問題、ひっくるめてアフロフューチャリズムと呼ぶものが極限まで詰まっているがそれは映画のフレーバーに過ぎない。真っ直ぐなヒーロー映画であり、その先のダークサイドについては各々が考えてくれと言わんばかりの仕上がり。個人的には『バーフバリ 王の凱旋』に続いて最後を王の説得力で誤魔化されたような気がして何か釈然としない。我々が今いる国は王国ではないのだから。