生きるからにはそれなりに

mochilonという人のブログ

こころ(真空管)が叫びたがってるんだ

二月二十二日、曇り。

厚生労働省現場猫になる。春一番が吹き荒れる。

うっかりTS808が届く。これこそがオーバードライブ。これ以上歪みは要らない。

天王洲アイルの方まで行って伊勢周平「ただの絵」展を見る。油絵なのに茶碗を眺めているような、筆の躍動感と、見立てのような景色が浮かび上がってくる今までに見たことのないタイプの油絵。

品川宿を散歩、東京にいるのに少しだけ観光地のような宿場町が残っているとなんだか不思議な気分になってくる。宿場町の名残というのはなんだか面白い。かつて海沿いであったから魚屋が多いのも面白い。

帰宅、TS808と戯れつつ夕飯の鍋を作る。

『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~』を観る。『人類は衰退しました』のアニメしか見ていない程度には田中ロミオに疎いのだが、AURAは非常にメタ的に地味。雑な言い方をすると暗くてじっとりとした『中二病でも恋がしたい』。いじめ、スクールカースト、現実逃避による逸脱したオタク。俗に言うセカイ系アニメのフォーマットを敷き、mebaeキャラによるいかにも超能力や異世界の出てきそうなタッチを展開しながらそれらはフェイク。実際にはその世界において何ら超現実的なことは起きず視聴者を期待させる「ひょっとして」は丁寧に裏切られてゆく。であるからこそ現実、地味。スクールカースト下位に追いやられる人間がどのように現実と向き合うか、アンチセカイ系として生み出され、そのテーマゆえに地味な扱いをずっと受け続けるのだろう。その作品のポジションが妙に語らせたくなる物であった。