生きるからにはそれなりに

mochilonという人のブログ

読書感想文を書いていると寝不足になるよ

七月十六日、雨。

ロシア入国禁止リスト更新。

9時起床、朝カスタマーサポート引き継ぎ。

10時あたりよりワンオペが始まる。

カスタマーリクエストにより公園へ。

サンドイッチ、コロッケ、甘栗を主への宥めの香りとする。

午後ワンオペ終了、中華弁当を主への宥めの香りとする。

ゴミ捨てなどをする、カスタマーサポート。

カービィを少しやる。

スマートフォンの見過ぎと怒られる。

坂本龍一を聴いていたら暗いと言われたので久保田麻琴と夕焼け楽団を聴いて過ごす。

水餃子を主への宥めの香りとする。

夕方カスタマーサポート。

風呂に入る。これからギター弾いてストレッチして寝る。

 

『電子楽器 過去・現在・未来』 著:三枝文夫

TESCOからKORGへ入り、Uni-vibeやMS20、Nutube等の開発で知られる三枝文夫氏。

古今東西の電子楽器(19世紀の話から始まる!)、電子になる前の動力による楽器(パイプオルガンやクラヴィコード、紀元前の水オルガンまで)、オンド・マルトノに対する様々な角度からの考察、どれを取っても日本が世界に誇る音のマッドサイエンティストと言っても過言ではない。

オンド・マルトノはスピーカーに共鳴弦が張られていたり、はたまたスピーカーコーンではなく銅鑼を鳴らしたりして音色をコントロールするのだがそこにフォーカスをして「楽器とアンプの間以外の部分にエフェクターをかけられないか」という話、洗面器を鳴らす19世紀の電子楽器「ミュージカル・テレグラフ」、現代の「オタマトーン」など音の出口によるアプローチ等も論ずる。

テクノロジーと楽器のUIは必ずしも連動するものではないが、タッチセンサーの進化によってカオスパッドのようなものが生まれ、それらはスマートフォンの普及によってアプリとなり、iPhoneがオカリナになる時代にまでたどり着いた。

電子でないところであればロール紙によって記録再生される自動演奏ピアノの話、それも鞴(ふいご)で演奏する足踏み自動演奏ピアノは自分で演奏するような楽しみが得られるが、電気によるものはその楽しみが失われてしまう、というような逆行的なジレンマ等にも触れていて興味深い。なんでも自動化すれば良いというわけではないところが楽器の不思議さである。

19世紀には既に電気信号によってピアノを遠隔操作するMIDIのような試みや、電話機が発明されて間もない頃に電話回線へ大電流を流してホテル、レストラン、クラブ、劇場へ音楽を届けようと現代の有線のようなアイディアを「テルハーモニウム」という楽器が発明されていたり。

リッケンバッカー社が最初のエレキギター「フライングパン」を試作した1931年に日本では「電気三味線」が披露されていた事実。

とにかくありとあらゆる電子楽器や奏者以外の力で動く楽器の古今東西の話がポツポツと網羅され、そこから未来の電子楽器のあり方へ思いを馳せる。どこから読んでも面白く、一気に読み終えてしまう素晴らしい本であった。