生きるからにはそれなりに

mochilonという人のブログ

Seamus Blake / The Electrifying Seamus Blake - EH! ‘Plays the Music of Eddie Harris’

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Seamus Blake (ts, EWI, effects, vo)
Sam Yahel (org, pf, clavinet, el-p)

Tim Lefebvre (eb)
Corey Fonville (ds)

Dawn Pemberton (vo)
Seamus Blake, Sam Yahel, Tim Lefebvre, Corey Fonville, Dawn Pemberton and Scott Morin (Group Vocals on M-7)

 

マイルス・デイヴィスとジョン・コルトレーンの生誕100周年の2026年、シェイマス・ブレイクが出してくるのはソウル・ジャズや電気サックスで知られるエディ・ハリスのトリビュート!ナンデ!?

『Swiss Movement』収録の「Compared to What」を筆頭に全曲エディ・ハリスのナンバーを取り上げてゆく。エディ・ハリスって純ジャズ的には少し外れる位置にいるプレイヤーなのでこうやってアルバム1枚取り上げられているだけでちょっと意外なところがあるのだが(大抵の人はマイルスのレパートリーである「Freedom Jazz Dance」の作曲者、ぐらいにしか認知していないのではないだろうか)、電化サックスを使っていたエディの楽曲を現代テクノロジーのEWIやエフェクトサックスで演奏することで再解釈するというのは確かに面白い。

そして何よりティム・ルフェーヴル、サム・ヤエル、コーリー・フォンヴィルのリズムセクションがガチガチにタイトかつファンキーで気持ちいい。エディのソウルフルなフィーリングを現代の高解像度リズムの上に乗せた組み合わせがもう素晴らしい。

「Compared to What」はロバータ・フラックも歌っているベトナム戦争の頃のプロテスト・ソング。最後の「Illusionary Dreams」は91年にリリースされた(78年のセッションと83年のセッションの抱き合わせアルバム)にしか収録されていない楽曲。トリビュート元のエディ・ハリスに対する自分の知識不足を感じる!

まだ一度しか聴けていないがこれはもっと聴きたい。今年ベスト10候補かもしれない。

ジャン・ロンドー / J.S. バッハ: ゴルトベルク変奏曲

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ジャン・ロンドーは1991年フランスパリ生まれ、現在35歳のチェンバロ奏者。

 

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ドビュッシーの「子供の領分」の第1曲 「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」を弾いている動画がこちら。

信じられないほどチェンバロが上手い。チェンバロってこんなピアノみたいに強弱が出せたのか?対旋律を対旋律として全て分離しているように聴かせられる楽器だったのか?

昨年末にルイ・クープラン(ドビュッシーの「クープランの墓」で有名なフランソワ・クープランではなく夭逝した叔父のルイ・クープランの方!)の全集10枚組を出して取り上げる作曲家やボリュームにも驚いた。とてもそちらは10枚も向き合える気がしないが……

そんなわけで聴き馴染みのあるゴルドベルグ変奏曲、しかしこれもCD1枚に収まらない1時間46分。2022年発表なのでもはやCDの尺を気にする必要がないとはいえ長くないか?しかし聴いていると長くて退屈することは全くない。13変奏や25変奏が長いのは律儀に繰り返しているから?タメや強弱、装飾音に斬新な解釈とオリジナリティがこれでもかと盛り込まれている。短調になる第21変奏でハッとさせられる。オンビートの音楽ではないとはいえ左右の手がこんなにも分離してどうしてヨレた感じがしないのだろう。300年ぐらい前の音楽なのにどうしてこんなにも新しいのだろう。

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2025年に四重奏団ネヴァーマインドのメンバーとして四重奏版も出しているらしい。なんなんだ。今度聴きます。

 

覚えてても 忘れそうでさ 書いとこ こわいから

九月四日、曇り。

グロリア・スタイネム死去。ドル円動く。鹿児島宮崎大雨。

早朝カスタマーサポートしてない。10時過ぎ起床。

DAW。

冷凍チャーハンを主への宥めの香りとする。

DAW。ほとんど歌詞を考えているのでトラックはあまり進まない。

最小限皿を洗う。仕込みをする。

夕方カスタマーサポート。

豚の生姜焼き、白子の残り、枝豆チーズを主への宥めの香りとする。

「机さする」に合わせて踊るカスタマー。

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22時半解放。洗濯物大量に畳む。

メアリー・ハルヴァーソン(ハルヴォーソン)を観に行ったらちょっと期待と違った

Mary Halvorson's Amaryllis Sextet@Blue Note Tokyo 8/31 1st set

Mary Halvorson (g)

Adam O'Farrill (tp)

Jacob Garchik (tb)

Yvonne Rogers (p,synth)

Nick Dunston (b)

Tomas Fujiwara (ds)

ヴィブラフォンのパトリシア・ブレナンが脱退、代わりに新メンバーとしてイヴォンヌ・ロジャースがピアノとして新加入してからの初ライブだとか。

今までヴィブラフォンを前提に書かれていた楽曲がピアノに交代することでどのような響きになるのかを期待と不安を抱えて行ったのだが……

2日目の1stセットということでなのか、どうも音がデカくて景気の良い曲が多い。始終ベースとドラムがドカドカ鳴っていて場を支配している。選曲かPAか……とにかくピアノが何をしているのかほとんど聞こえない。

書かれていたセットリストが確かならば

  1. Amaranthine
  2. River of Forms
  3. Florid Waning
  4. Ultramarine
  5. Verdant Glitters
  6. Eventidal
  7. Sea Change
  8. Polyhedral
  9. Night Shift(アンコール)

だったことになる。リリースされている楽曲は9曲中5曲(Amaranthine, Ultramarine, Eventidal, Polyhedral, Night Shift)だ。

緻密に書き込まれたコンポジションはどこまでが曲でどこからがソロなのかわからない……というウリなのだが割と大々的なドラムソロとベースソロの見せ場が用意されており(4曲目のUltramarineだっただろうか?)オーディエンスは盛り上がる。

その一方でニックのベースがあまりにもパーカッシブにバチバチ鳴らしつつ開放弦を鳴らすソロであり、あまりメロディックな感じがしない。チャーリー・ヘイデンのような開放弦ともまた違う、打楽器的な要素が強めのベースソロ。これに自分がノれずに会場との温度の違いを痛感してしまう。

逆にジェイコブ・ガーシックのトロンボーンソロが曲とソロの境目がわからないほど巧みに展開してゆく様には痺れたのだが、当然「ソロが終わりました」という合図はないため観客から拍手は起きない。別にソロが終わったからといって拍手をしなくてもいいのだが、ブルーノートでは拍手が場のルールとして存在してしまう。

そんなこんなでイヴォンヌ・ロジャースのピアノが何をしているのかはほとんど聞こえない。トランペットとユニゾンしている曲は不思議な響きがするなと感じたものなのだが。

シンセサイザーも操ると聞いて期待していたが、置かれているのはYAMAHA Reface CSのみ。Reface CSだっていいシンセだし機材で決めるのは良くない……とは思ったのだがピアノの代わりにフィルターのかかった暗めの音でモワーと鳴っていたぐらいで特に「効果的だ!」とハッとするような音は鳴っておらずガッカリ。まだメンバーとして自分の立ち位置を確立できていないのかなぁ……せめてもう少し静かな曲もセットにあればなぁ……と。アンコールのNight Shift(メアリー本人は日本語の達者なMCで「夜のシフト」と言っていた)は多少ピアノの出番があったが現時点ではパトリシア・ブレナンの音で聴きたかった!という感想。

そんな中全編通してアダム・オファリルのトランペットは伸び伸び、鷹揚としていて泰然自若で素晴らしい。

期待を高めすぎていたといえばそうなのかもしれないが、どこか煮え切らない気持ちで帰路につく。

 

余談だがペダルは最小限にとどまっており、LINE 6 DL4 mk2, Jim Dunlop DVP3 Volume X Mini 2台, Mooer Black Secret, Mooer Tender Octaver mk2のみのコンパクトなセット。やはりツアーだとMooerで圧縮したくなるよね……ギター本体すら畳めるのにしてる人だもんね。

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を200円で買ってから関連作を聴いたり映画を観ている話

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を観た。

以前にも1度か2度観てはいたのだが、その頃はそこまでキューバの音楽に対する理解も知識も興味もなかったので「古老のミュージシャンがいっぱいおるな」程度の感想であったのだが、キチンと情報と向き合ってそれぞれのキャリアを追いながら見るとなるほどもう一歩面白い。

まず最初にライ・クーダーとニック・ゴールドの二人は「キューバのミュージシャンとマリのミュージシャンを呼びセッションをしてアルバムを作る」という企画を立てていたが、ビザの関係でマリ側のミュージシャンがフランスで足止め、仕方なくキューバのミュージシャン達を見つかる限り集めて録音したアルバムの『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』が作られる(1997年リリース)。

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アルバムが世界的ヒット、グラミー賞を獲得する中でライ・クーダーと関わりの深いヴィム・ヴェンダースが映画の撮影を始め、現役の古老であるコンパイ・セグンドやオマーラ・ポルトゥオンド(去年もアルバムを出している!)、カチャイート(マンボの生みの親と言われるカチャオの甥)等以外に数年前からピアノを手放していたらしいルベーン・ゴンサーレスや時代に埋もれていた存在であり、イブライム・フェレール等の忘れ去られかけていたミュージシャン達を集め、彼らのドキュメンタリーを撮影してゆく。主軸として置かれるのは今まで自身のアルバムを出したことがなく数十年を靴磨き等の仕事で食いつないでいたイブライム・フェレールである。映画として映し出されるハバナの街並み、打ち付ける波飛沫、走るクラシックカーや新体操の練習をする子供達なども美しい。

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映画は99年に公開され、同年にイブライム・フェレールの1stアルバムが発売される。

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なお、アルバムの『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』の録音の際一緒にたった二日で録音されたのがピアニストのルベーン・ゴンサーレスの1stアルバムであり、同じく97年にアフロ・キューバン・オールスターズのアルバムも出ているため、こちらも同時期のセッションと思われる。

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アルバム『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』の音が「ややロックっぽい」と書かれている文を見かけたのだが、それはライ・クーダー達がいるからなのか、ミックスをロンドンで行っているからなのかまだわかりかねているのだが、息子ホアキン・クーダー(ヨアヒム・クーダー)が様々なパーカッションを使っている中にウドゥ(アフリカやアジアで使われる壺のパーカッション)があり、これはアルバム1曲目の「Chan Chan」からトゥントゥンと独特の音を鳴らしている。映画の中でもヨアヒムは「壺の変な音を出す人と周りに覚えられた」と話していたが、これは確かに純粋なキューバの音ではない。本来のマリ共和国のミュージシャンとのセッションを予定して用意していたような側面もあるのだろうか?

ちなみにキューバのミュージシャンとマリのミュージシャンでセッションを録音するという本来の企画はプロデューサーのニック・ゴールドがライ・クーダー抜きで再度挑戦し、『アフロキュービズム』というアルバムで2010年に発売されている。

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だかキューバ側で共通のメンバーなのはエリアディス・オチョアだけのようだ。

関連作を追っていくとそれだけで結構な量と情報量になり、当然それ以前のキューバのソンなどを追っていくと立派な一つの国の音楽と歴史になりどこまで手を広げるか大混乱している。

Polarisの「瞬間」の歌詞、「むつかしいキューバのリズムに乗れない僕」という文がずっと人生に焼き付いている。

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髪を切ってマリア・シュナイダー・オーケストラを観てきた

八月五日、晴れ。

首相熊本視察動画BGMつき批判。キーウに大規模攻撃。米迎撃ミサイル8割使い果たす。

5時起床朝カスタマーサポート。5時半解放。

その後も起されてなんかだよくわからない。

最終的に午後再起動。

カレーうどんを主への宥めの香りとする。

渋谷へ。

髪を切る。前回切ったのが5月だったので3か月弱伸び放題だった。

切り終えて青山へ徒歩。

丸亀製麺の青唐ぶっかけを主への宥めの香りとする。

ブルーノート東京へ入ってマリア・シュナイダー・オーケストラ待機。

観る。9年ぶりの来日なので次いつ観られるかわからない。

 

新譜American Crowと前作Data Loadを中心にやるのかと思ったら旧譜からもふんだんにプレイする様々な選曲を毎日変えてやるらしく、嬉しいけれど予習が間に合っていない。素晴らしい演奏。19人がミチミチに詰まったステージの真ん中にドラムのジョナサン・ブレイクがドーンとおり、音も本人の存在感もデカい。ステージ下手寄りの席だったのでピアノ(ゲイリー・ヴェルサーチ)、アコーディオン(ジュリアン・ラブロ)、ギター(ジェフ・マイルズ)がよく見える。一番音の小さい楽器だがこの編成のキモでもあるアコーディオンがよく聴こえるのは非常にありがたい。その反面ホーン隊は遠く、バリトンサックス(スコット・ロビンソン)が見えなかったのは悔しい。バスクラやコントラバスクラリネットまで持っており非常に気になったのだが……

Reach (不明……Sky Blue収録のRich' Pliece?)

Dance You Monster To My Soft Song (Evanescenceより)

GreenPiece (Evanescenseより)

Data Loads (Data Loadsより)

Sanzenin (Data Loadsより)

Gumba Blue (Evanescenseより)

Part:3 Coming About (Coming Aboutより)

というセットリストだったためEvanescenseを十分に予習しなかった私が悪いです。

ラストのComing Aboutでのダニー・マッキャスリンのソロは圧巻。Gumba Blueでのスティーヴ・ウィルソンやGreen Pieceでのリッチ・ペリーも良かったが、Data Loadsでのデイヴ・ピエトロのウネウネした怪しいソロが強く印象に残っている。

ギターがベン・モンダーからジェフ・マイルズに交代してしまったのでベン・モンダーがどのようなプレイをしていたのか見ることは叶わなかったがジェフのギタープレイはおよそ普通のビッグバンドでは想像もつかないプレイだった。現代のジャズではギターはボリュームペダルを多用し、スライドバーで高音をかき鳴らし、シマーリバーブでシンセのような音を鳴らすのだ。

もっと全体の音を聴き、各々が何をしているのかも観察したかったのだが大量のマイクとPAで流石にスタジオ録音のようなクリーンな音像というわけにはいかず、バンド全体が轟音となった時にはソリストと金管のオブリ(あるいはカウンターメロディ)が混ざって区別がつかない。前の席なので圧倒的生音で抜けてくるジョナサン・ブレイクのドラム。PAなしで聴きたいと言ったら贅沢だろうか。難しいだろうなぁ。

どうしてもPAや箱鳴りでアンサンブルの音像が少しぼやけてしまうこと、ビッグバンドである以上個々のプレイヤーのソリストとしての見せ場が短い(当たり前)ことの二つで肩透かしを食らった部分はある。だからこそもっと聴いて自分の耳でなんとかしたかった悔しさもある。それでも演奏は素晴らしかった。

 

帰宅。カスタマーサポート。22時半解放。