生きるからにはそれなりに

mochilonという人のブログ

清須会議

広義のシチュエーションコメディという奴なのだろうか。三谷幸喜は特にHRが好きだった。
ただただ面白おかしいというより、喜怒哀楽、その四文字に表せない様々に入り組んだ人間の感情を描いておりジワジワと沁み入るような面白さであった。
特に役所広司の演じる柴田勝家の人間臭さ、表情一つ一つが滑稽で愛おしくそれでいて哀しいそれはとても良いもの。
それぞれの人物がそれぞれの思惑で動き、役者がそれに重みと説得力を持たせて坩堝と化し、観客を巻き込んでゆく。そんな中異物のように浮き上がる剛力彩芽。なんなんだ。その異物感も松姫の薄気味悪さに半分は昇華されていて、良かったような……

しかし大河ドラマのように役名がバーンとテロップで出たりしない上に劇中で呼び名も本名、通称、幼名ごちゃ混ぜで出てきたので、これはそこそこ戦国時代の前提知識を持っていて、清州会議の時点での織田家臣の状況をある程度予習してから行かないとかなりチンプンカンプンになってしまって敷居が高いなァというところはあった。いきなり久太郎と呼ばれて松山ケンイチが出てきても最初堀秀政だってわからなかったよ。あの時点での前田利家や佐々成政のポジションとか。回想シーンで出てくるのは佐久間信盛でいいの?とか。村井貞勝は本能寺で戦死してたっけ、とか。でんでんの前田玄以、本編で名前呼ばれてたっけ、とか。

小日向文世演じる丹羽長秀ビートたけし演じる大友にチャカで撃ち殺されるラストは衝撃でした。