生きるからにはそれなりに

mochilonという人のブログ

神戸・京都旅行記その2

27日、ネカフェで目をさまし、全身からアセトアルデヒドが湧き出ているのを感じる。これはいかん、朝風呂に入りたいと思い朝やっている銭湯を探し、白山湯 六条店まで歩く。暑い。銭湯だけれど白いタイルでサウナもある、銭湯以上スーパー銭湯未満の感じ。小さいサウナで目の前にボイラーがあるので席によっては地獄の業火のような暑さが味わえるなんともすさまじい場所だった。

銭湯を出た後、そのままイノダコーヒ本店へ。モーニングセットを食べる。オレンジジュースは生搾り、ベーコンがやたら美味い、コーヒーもかなり美味しい。値段も結構ではあるけれど値段相応の味や雰囲気で素晴らしい朝食。池波正太郎が絶賛したとかいうカツサンドまでは腹も財布も回らずそれは次来た時のお楽しみということに。

市営地下鉄で京都駅まで戻り、神戸へ。神戸で何を見ようか迷ったのだが、間違いなく地雷であろうKOBE鉄人三国志ギャラリー及び三国志ガーデンを見ておかねば後悔するだろうと思い横山光輝の生まれ育った新長田駅へ(どうも横山光輝は長田区ではなく須磨区らしいのだが)。降り立つとどうも萌えおこしの祭りの最中らしく(KOBEぽっぷカルチャーフェスティバル3rd)いまいち萌えない娘のポスターにお出迎えされ、商店街にコスプレイヤーがチラホラ、通りの真ん中には痛車が陳列されているという派手なお出迎え。この煮え切らない感じ、最高である。賑わっている商店街を奥まで突き進み、最深部のKOBE三国志ガーデンに入館すると中には誰もいない。震災後復興プロジェクトの箱物行政というかなんというか、勢いででっち上げたんだろうなという感じの期待を裏切らず予想を上回るガッカリ感。撮影禁止だったのが悔やまれる破壊力。唯一まともだったのがレッドクリフの衣装や小道具、京劇における関羽張飛の衣装の歴史考察など。あとはなかなか三国志好きなら知ってることがつらつらと書いてあったり、あまり見る気の起きないジオラマが展示されていたり。素晴らしかった。

Fate/Zero聖地巡礼を再開しようと新神戸駅へ、神戸北野異人館街へ向かうが完全に山。天気が良く、荷物をすべて背負っていたので死にかける。遠坂凛の部屋のあるうろこの家に入り(入場料がけっこうボッタクリ)ハイカラな家屋やマイセンのティーカップなんぞを眺めようと思うがiPhoneの電池は切れかかるわeneloopモバイルブースターは京都のネカフェに忘れた事実に気づくわ肝心の結婚式二次会の時間も迫ってくるわで正直落ち着いて見て回る余裕もなく一通り見ておしまい。そのまま坂を下り同じく異人館街の風見鶏の館へ。遠坂邸のガワがコレであり、写真を撮って満足。坂を下って三宮へ。

もはやiPhoneの電池が20%を切っており、電源のある店を探し求めて「マック上島ドトールモスタリーズ」と唱え続ける妖怪となって三宮、元町を放浪。元町のドトールでやっと空いている電源席を見つけて充電、1時間ほど充電休憩をしてオノマトペ大臣の結婚式二次会会場へ。

神戸ラフレアにて二次会。新郎新婦の学友や会社の同僚、そしてマルチネ関西勢やトーベヤンソン・ニューヨークメンバーが集合。とてもありふれた幸せな二次会が行われる。プレゼントクイズでtofubeatsの選んだブックオフCDというホームランを金子朝市が見事引き当てたり、嫁入りランドが登場してサプライズで新郎を巻き込んでしあわせになろうよを歌ったり。こんな風になりたい。オノマトペ大臣、おめでとうございます。

皆三次会や宿もバラバラな具合だったので一人で再度京都へ。電車を降りる時見事に財布と切符を落とし京都駅のマーハン・カリミ・ナセリになりかける。かなり駅員が冷たかったのだけれど色々と話して駅を出してもらい、キャッシュカードだけはあったので銀行で現金を下ろし、遺失物届けをお願いして駅の外へ。

寝る前にやはり風呂に入りたくなり適当な銭湯を探し、八条口の大正湯へ。スチームサウナのある銭湯。常連客の空気が濃い感じだがぼちぼち。

前日と同じネカフェへ行き、モバブーも回収し、泊まる。親切だし清潔だしいい店だった。

 

28日、目が覚めると落とした財布が京橋駅にあると判明する。大阪じゃないか。JR京都線をもう一度南西に向かって大阪で乗り換え、環状線京橋駅へ行って財布を回収、また京都へ。札が抜かれていたがカードも身分証明書も無事だったので授業料だと思うことにする。観光の時間を2時間ロスしたのが痛い。

京都駅に再度戻ると10時になっており、朝飯をどうしようか考え、再度レンタサイクル屋で原付を借りてにしんそばの本家である松葉本店へ。10:30の開店と同時に入りにしんそばを食べる。だしが美味い。にしんの甘露煮の美味さのレベルが一昨日食べたものとは桁違い。だしとにしんの香りの絡み方、広がり方が素晴らしい。量や値段としてしょっちゅう食べるものではないかもしれないがこの風味は食べておいて良かったと思える味だった。

その後またも鴨川沿いを北に進み、叡山電鉄鞍馬線沿いに爆走、鞍馬寺へ。完全に山である。本堂までは石階段であったが本堂より上、宝物殿や義経伝説のもろもろ、魔王尊などは完全な山道。ロープウェイで移動する高度と距離を歩いて巡る。これは本来一日かけて巡る場所じゃないか。旅行のテンションで疲れを無視して2時間で巡る。京騒戯画の聖地(阿吽やショーコ博士は鞍馬寺本殿)であることと牛若丸の育った地であることに興奮して山道をグルグルと回っていたがしかし立て看板の言葉がやけにスピリチュアル、仏閣に混ざって妙なモニュメントも立っており、魔王尊に至っては「650万年前に金星から地球の鞍馬山に降り立ったもの(これは大本をたどるとどうもヒンドゥー教のサナト・クマーラらしいのだが)」らしく、下山中にググってみると1949年に天台宗から独立した鞍馬弘教だそうで。なるほど礼拝の方法がわからないわけだ。とにかく山だったので足がガクガクになる。

そして南下して天下一品本店へ。一人で行ったのが幸いし、行列の割にカウンター席にすぐ入れてもらい、こってりを注文。渋谷センター街店などで食べていたあの臭みがまったく無かったので驚愕。鶏の骨なのか野菜のポタージュなのかなんなのかは知らないがさすがに本店は美味いものだと感動。

午後二時を過ぎており、寺は四時五時から締まり始めるのでどこに行くか迷ったが、一気に南下して伏見稲荷大社へ行くことに。京騒戯画でもいなりこんこん恋いろはでも出てくるし、あの千本鳥居はキャッチーだ。最初は鳥居だらけでテンションが上がるのだが、鳥居一つ一つの裏側にスポンサーが書かれていることに気づき、道中に鳥居の料金のご案内がちょくちょく現れ始めて「鳥居は金で買える!!」感にゲンナリし始める。林の暗がりで鳥居が続く様はなかなか神秘的で趣もあるのだが振り向いた途端それが台無しになってしまうのはいただけない。だんだん参拝しているのかトレイルランニングもどきをしているのかわからなってくる。登れば登るほどポカリが値上がりしていくのも中々ニクい。意地でも上でポカリは買わず一気に駆け抜けてポカリ150円になったところで買って飲む。何しに来たのかは忘れた。順路の後半、一番端の部分で大日本大道教本部などを見かけ、この国の宗教のごたまぜ感を味わう。気付かなかったがどうも「麻雀放浪記」の作者、阿佐田哲也を祀った阿佐田哲也大神というのもあったらしい。お、おう。

二連荘で山に上り足が棒になりながら次に清水寺へ。ゆるゆりの聖地です。ゆるゆり修学旅行回の聖地であります。修学旅行というが、私たちは一体何を学び修めたのだろう。修学旅行で京都に行っていない人間なので初めての清水寺、これが舞台かと素直に関心したりあまりの観光客の多さに辟易したり歳納京子がぺたぺたしていたふれ愛観音をどアップで撮ったり。清水寺を見に来たのかバーチャルゆるゆり体験しに来たのかもはやよくわからない、どうでもいい気持ちで巡る。夕方五時で閉まる部分がいくつかあって回れなかったのは残念。

もう歩けない状態で一昨日と同じ錦湯へ。うさ湯ですようさ湯。番台のおっちゃんがEddie Higginsをかけていたのでジャズの話をしたり、やはり人も場所もすごく雰囲気が良い。そしてあの強烈な電気風呂が好きだ。肩まで浸かると心臓が不整脈になって脳がイカレるのではないかと心配になるレベルの電圧。アッツアツの湯の温度。温度計はないけれど44度とかそんな具合なのではないだろうか。脱衣所が広いので何度も涼んで入る。

再度マスカレードウキウキレコーズの首謀者たちMebiusRondoと晩飯を共にしようということで京都駅で原付返却、時間もあまりなかったので新福菜館本店へ。ラーメンとビールをキメてウキウキ。図らずも本店巡りをさらに一つ達成。強烈な黒い醤油ラーメンでした。

そのまま二人と一緒に八条口のバスロータリーへ。路上ビアをキメながらウキウキして見送ってもらいながら深夜バスへ。ヨロヨロ朦朧しながら深夜バスに乗っているといつの間にやら新宿へ。あとはいつものように家に帰り、長い4泊の楽しい地獄は終わったのでした。

 

ということで今日も疲れてほぼ寝ていたに等しい。あと勢いで有頂天家族を見始めた。P.A.Worksは苦手だけれどこれはいけそうだ。京都の余韻もあることだし。完全に京都引きずってる。