五月九日、曇り。
豚の生姜焼きとポークジンジャーの違いがわからない。
Kamaal Williamsのアジアツアー東京公演を観る。
Kamaal Williams (key)
Marlow Spears (b)
Greg Paul (ds)
栗原健 (ts)
Jazzy Sport (Dance)
Yussef DayesのいないKamaal Williamsのライブがどうなるのか期待と不安が入り混じっていたのだが、Greg PaulのドラミングはYussefのいない穴を埋めて山にするほど柔軟でパワフルなものであった。ヒップホップ、ブロークンビーツを消化したスタイルでありながら反応速度やカラーの豊かさはTony Williams並のジャズ。一言で言うならば人力Swindle。
Marlowのベースはエレクトリックでありながらパームミュートによってコントラバスのような丸いアタックをキープしており、楽曲の盛り上がりに併せて適宜ツーフィンガーやスラップによる激しい奏法とを行き来する。非常に安定感のあるベースらしいベースでありながらこちらも柔軟なプレイ。
Kamaalの作曲と演奏はもはや言わずもがなであり、ピアノ、エレピ、シンセ、合計して6台の鍵盤を操る様は現代のJoe Zawinul。オーセンテックなジャズ/フュージョンの血を受け継ぎながらも打ち立てられたサウンドはそれと異なるもの。しかしながらライブだからこそ行われるスリリングな即興演奏はやはりジャズそのものと呼んでも良いものだろう。全体ジャンルは何とでも呼べばいい。
現時点で今年ベストの音楽であった。