六月二十九日、雨。
完全に気絶。起きたら15時半。笹舟を流す。
「民族の創出」の冒頭20ページほどを読む。とてつもなく面白い。面白いのだが分厚い。初っ端から「大和民族」という単語の「大和」と「民族」の定義を誰もしていない状態で使われていた明治中期の歴史をめった切りにしている。結局日本語でnationもstateもfolksも訳せていないのだろうか。
近代において伊勢神宮と出雲大社の論争が起き、顕(現世)の頂点に立つ伊勢、アマテラスに対して幽(死後)の頂点に立つオオクニヌシといった論旨の場合、万世一系でありアマテラスの末裔であるはずの天皇家が死後は出雲の下に立つことになってしまうため、伊勢神宮はこの論戦の分の悪さに撤回、靖国神社と現人神である天皇がドーンと登場したというような話。序盤の掴みだけでこれだけ強烈なエピソードが来るのだからこの後エミシやクマソ、ハヤトが来たらどうなってしまうんだ。
民族の創出――まつろわぬ人々、隠された多様性
posted with amazlet at 19.07.01